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2014年11月21日金曜日

産業廃棄物と闘うひとりの主婦 ⑤



"TRUST ME AT YOUR OWN RISK"


「AもAだけど、BもBだよ。」

こういう感じの人が、僕たちの周りにはたくさんいる。もちろん僕自身も、多分に漏れず、こんな「中立」を装う事は少なくない。

「中立」は何より安全である。そして簡単だ。否定していれば、それで済む。物事を理解する必要もないし、何かを主張する必要もない。そして、何かを信用する事も、必要ないのだ。

社会に出ればこの「中立」というポジションが、いかに役立つか、身にしみてわかる場面も少なくない。何か信用することは、立場を取る事、そして責任を負う事である。場合によっては敵を作る事にもなる。

その反面、いつのまにか僕たちは、中立を優先するあまりに、何かを「信用する能力」をロストしてしまったのではないだろうか…。



「新聞が…」「国が…」「○○さんが…」

「信用する能力」をロストしたときから「鵜呑み」が始まる。「鵜呑み」は「中立」と同じぐらい楽で無責任だ。だが「鵜呑み」がもたらす無責任は、いつか自分に還ってくる、そういう時代になったのだ、と、そう思う。

当り前のことだが、信用とは懐疑から始めるべきだ。

「信用しようとする事柄」に対して疑問を想起し、自分の知識と知見、さらに新たな検証を加えてその疑問を消去していく、信用とは、こんな作業の繰り返しだと思うのだ。

そして、これらの作業へのモチベーションとして機能するものが、僕の「人間としての倫理」だと自覚している。







最初に、大前提の事実確認をしなくちゃいけない。

宮崎県のHPに以下の記述がある。


平成24年10月に、「グリーンサンド」で土地造成された西川内地区周辺水域の水質検査(略)を実施しました。

「グリーンサンド」とはフェロニッケルスラグの製品名のこと。

黒木さんが主張する「造成工事」は実在する。

「大量のフェロニッケルスラグが山に埋められている」

これは紛れもない事実なのだ。



<⑥につづく>